質問:映画『君の名は。』のラストシーンがよくわかりません。瀧と三葉が階段で出会う場面は夢や願望の描写なのでしょうか。二人の時間軸や記憶のすれ違いはどう解釈すればよいですか。監督が伝えたかったことや、象徴的な要素の意味も知りたいです。
A1(物語的解釈)
ラストは文字どおりの「現実の再会」と解釈するのが一般的です。彗星による時間のズレや記憶の消失という超常的な出来事を経て、二人は運命的に道で出会い、互いの存在をかすかに覚えている状態で思い出し合います。物語は「記憶の回復」と「再会の奇跡」を描いて終わります。
A2(象徴・テーマ解釈)
終盤は現実と記憶が交差する象徴的な表現と見ることもできます。作中の断片的な記憶や空白は、人と人のつながりや記憶の重要性を示すメタファー。名前や痕跡が消える中で、それでも結びつく「絆」や「祈り」が主題として強調されています。
A3(監督の意図・演出)
監督の新海誠は、はっきりとした説明を避け、観客の感情で補完してほしいという姿勢を取っています。映像や音楽、カット割りで曖昧さを残しつつ感情の回復を描くことで、見る人が自分なりの解釈を持つ余地を残しています。結末の曖昧さは意図的と考えてよいでしょう。
