質問：映画『インセプション』のラストでトーテムのコマが最後に回り続けるか止まるかで、コブは現実に戻れたのでしょうか。解釈が分かれるので、わかりやすく教えてください。
A1：明確な答えは作中にないと考えるのが一番妥当です。監督のクリストファー・ノーラン自身が意図的に曖昧にしており、コマが回り続けるかどうかは観客の解釈に委ねられています。映画全体が「現実とは何か」「記憶とアイデンティティの境界」をテーマにしているため、結末の不確かさが狙いです。
A2：細部の描写から「現実」と読む根拠もあります。最後にコブが子供たちに気づかれずに抱きつく場面や、彼の表情の安心感は現実に戻ったことを示唆すると解釈できます。またトーテムは夢に持ち込むと機能しないため、回転の描写自体を信頼しすぎないという説もあります。
A3：逆に「夢」の可能性を支持する要素も多いです。コマの回転の揺れやカットの瞬間は意図的に曖昧で、観客に「どちらでもあり得る」と感じさせます。結論よりもテーマや感情の解消に重きを置いた映画なので、どちらの解釈でも物語の示すものは変わらない──という受け止め方が一般的です。
