質問：ピアノやギターでよく耳にする「平均律」と「純正律」は具体的にどう違うのでしょうか？調律によって和音やメロディの響きが変わると聞きますが、どの場面でどちらを選ぶべきか教えてください。
A1: 平均律について
平均律（等分平均律）はオクターブを12等分して各半音の比率を等しくした調律法です。どの調で弾いても大きく外れない汎用性があり、近代以降のクラシックやポピュラー音楽で広く使われています。和音の微妙な倍音の一致は犠牲になりますが、転調や複雑な和声に強いのが特徴です。
A2: 純正律について
純正律は特定の音程（主に完全5度や長3度）を整数比に近づけて調律する方式で、和音の響きが非常に澄んで聞こえます。ただし特定の調に最適化されるため、他の調へ移ると不協和が生じやすく、多声的・転調の多い現代音楽には不向きです。古楽や声楽、特定の室内楽では好まれることがあります。
A3: 実用的な選び方
現代のピアノやバンド演奏では平均律が標準です。歴史的演奏やルネサンス〜バロックのレパートリー、アカペラや特定の和声美を重視する場面では純正律や平均律と純正の折衷（中庸）を検討すると良いでしょう。演奏環境や楽器、共演者に合わせて、耳で確認しながら決めるのが一番確実です。
