遺言なし・預貯金と自宅のみ。兄は家を継ぎたい、私は現金を希望。どう分ければいい?

質問:父が亡くなり、遺言はありません。遺産は預貯金と自宅の不動産だけで、相続人は私(妹)と兄の2人です。兄は自宅に住み続けたいと言い、私は現金での分配を希望しています。相続放棄や共有、換価分割の違い、税金や手続きの注意点を教えてください。

A1(基本的な流れと法的枠組み):法定相続分は原則として妹:兄=1:1(民法)ですが、当事者間で話し合って自由に分けられます。まず戸籍を集めて相続人を確定し、遺産目録を作成して評価(預貯金は額面、不動産は路線価格や固定資産税評価額を参考)します。相続放棄は相続開始を知ってから3か月以内に家庭裁判所へ申述、相続税申告は10か月以内が原則です。

A2(選択肢の具体例と注意点):(1) 現物分割:兄が自宅を取得し、妹に相当額を代償金として支払う合意をする。代償金の算定には公的評価や不動産査定が必要。(2) 換価分割:不動産を売却して現金にし、分配する。売却時は譲渡所得課税の可能性や仲介手数料がかかる。 (3) 共有は法的には可能だが、将来の意思決定や売却で揉めやすいため避けることが多い。いずれの場合も合意内容は書面化(遺産分割協議書)し、預金の払戻しや不動産の名義変更(登記)を行う。

A3(実務的なチェックリストと依頼先):1) 戸籍謄本・住民票の除票収集、2) 遺産目録と評価作成、3) 相続人間での協議(合意書作成)、4) 銀行手続き・不動産登記・必要なら相続税申告、5) 争いがある・評価が難しい場合は司法書士(登記)、税理士(相続税)、弁護士(交渉・調停)へ相談を。特に代償金や売却価格の算定は専門家の評価を使うとトラブルを防げます。

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