Q: 賃貸マンションを退去したところ、大家から床の小さな傷や壁のクロスの汚れを理由に敷金の大部分を差し引かれました。自分では通常の使用による経年劣化だと思います。請求の妥当性を確認する方法や、争う場合の手順を教えてください。
A1: 法的なポイント
原則として借主には「原状回復義務」がありますが、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では通常の使用による経年劣化は借主負担ではないとされています。大家が請求するには具体的な損害の発生と費用の裏付け（写真、見積書、領収書など）が必要です。全面張替えのような高額請求は、使用年数に応じた按分が妥当とされる場合があります。
A2: 実務的な対応手順
1) 退去時の精算書・請求内訳・見積書・領収書の提示を求める。2) 入居時の写真や契約書の特約を確認する（入居時の状態を記録していれば有利）。3) 請求に納得がいかない場合はまず大家や管理会社に交渉し、第三者見積もりを提示して按分を提案する。4) 解決しない場合は市区町村の消費生活センターや、賃貸紛争のADR（民間紛争解決機関）、最終的には少額訴訟の検討を。証拠を揃えることが重要です。
A3: 要点まとめ
通常の経年劣化は借主負担ではないため、明細や証拠の提示を求め、第三者見積もりや消費生活センターを通じて対応しましょう。納得できなければ法的手続きで争う選択肢もあります。
