質問:両親が亡くなり、相続人間で遺産分割の合意がまだ整っていない状態で、私(相続人の一人)が相続不動産を売却してしまいました。売買契約は締結され、代金も受け取っています。他の相続人から「勝手に売るな」と言われていますが、法的にはどうなるのでしょうか。今後の対応も教えてください。
A1(一般的な対応・優先):遺産分割協議が成立していない場合、相続により不動産の持分は相続人全員に帰属します。単独で第三者に売却した場合、売買は売主(あなた)がその持分を売ったという評価になり、共有持分の売買として有効になる可能性があります。ただし、他の相続人の共有持分や全体の所有権を侵害する形での売却については、取消しや損害賠償請求の対象となるおそれがあります。まずは売買契約書や登記状況、受領した代金の扱いを確認し、相手方(買主)との交渉記録を保存してください。
A2(法的手続きと選択肢):他の相続人は、売買の取り消しを求めたり、共有物分割請求や不当利得返還請求、損害賠償請求を行うことが考えられます。買主が善意かどうか(あなたが単独で売れると信じていたか否か)も争点になります。場合によっては共有持分の売買は有効で当該持分のみが移転したと判断されるため、登記や評価替えが必要になります。早めに弁護士や司法書士に相談し、和解や遺産分割協議書の作成で解決を図るのが現実的です。
A3(実務的アドバイス・注意点):代金は第三者預託や相続財産の一部として扱う必要があるため、安易に使わないでください。相続人全員の意思確認、売買契約の内容確認(瑕疵担保や解除条項)、登記の状況、買主の善意性を整理してから対応すること。法的判断は個別事情で変わるため、具体的な書類を持参して専門家に相談してください。
