Q:ライブやカラオケで高音が出ない、声が裏返ることが多いです。原因と自分でできる具体的な対策を教えてください。
A1:発声の生理的原因
呼吸支え(ブレスサポート)が弱いと、声帯に必要な空気圧が届かず高音が出にくくなります。また、喉(喉頭)の過度な緊張や声帯の疲労、乾燥も裏返りの原因になります。対策としては腹式(横隔膜)呼吸の練習、姿勢を整える、十分な水分補給、歌う前の軽い発声ウォームアップ(リップトリル、ハミング、スライド音〈sirens〉)がおすすめです。
A2:発声技術と練習法
胸声から頭声へのスムーズな移行(ミックスボイスの獲得)が高音を安定させます。無理に力を入れず、母音をやや前寄りにして口腔のスペースを使う、共鳴を意識するなどのテクニックを段階的に練習してください。低→中→高へと少しずつ音域を上げるスケール練習や、ストロー発声(straw phonation)など喉の緊張を抜くトレーニングが有効です。ボイストレーナーにフォームを見てもらうと改善が早くなります。
A3:健康面での注意と受診の目安
逆流性食道炎やアレルギー、声帯の結節・ポリープなどがあると高音が出にくくなります。痛みや嗄声が続く、声が出にくい状態が2週間以上続く場合は耳鼻咽喉科受診を検討してください。急性の痛みがあるときは安静にし、ステロイドなどの投薬を要する場合もあります。日常的には睡眠と水分、カフェイン・アルコールの過剰摂取を避けることも大切です。
